ゲームを作るということ

 2019年12月4日になりました
私は名古屋在住のウォーゲーマーのたけです。
普段は名古屋のTSSというオープンなゲームサークル(http://tss-website.sakura.ne.jp/tss/)で活動しています。
よろしくお願いいたします。

 本日のアドベントカレンダーのテーマは”私にとっての今年1年のウォーゲームとの関わり合い”
今年もいろいろありましたがその中でも、人生で初めてウォーゲームを作った、という事がありました。
既存のゲームのオリジナルユニットやマップを作ったことはありましたが、ゲームそのものを自分で作ったのは初めてです。
まだ未完成なので締まらない話しですが、簡単にまとめました。

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 事の起こりは図書館で何気なく借りた冬戦争の戦記でした。
http://www.kaiga.co.jp/products/detail.php?product_id=3743
冬戦争というのは…という説明は省略しますが、1939年の暮れに勃発した侵攻ソ連軍とフィンランド軍との戦争です。
兵力は100万人対25万人、戦闘機や戦車の数もけた違いにソ連の方が多いという条件で戦われました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%AC%E6%88%A6%E4%BA%89
初めて読んだこの戦記は内容がとても熱く、史実の物語にのめり込むように読み、この一連の戦いをウォーゲームで再現したいという欲求が一気に盛り上がったのでした。

 そこでその欲求を具現化するためにまずは、現実に起きたいろいろな事象をゲームで再現するためのアイデアやルールを構想しメモを取り、先に読んだ戦記だけでは資料が少ないので他の関連本やフィンランドの地図も追加で調べました。
ゲームをゼロからデザインすることはまだ私には出来ないので、ベースとなるゲームの選定から始めます。
再現したい事象に適するゲームシステムは何か?
コマンドマガジンのドイツ戦車軍団のようなシステムで、というおおざっぱなイメージはありましたがそれだけでは難しそうです。
 ●フィンランド側兵力は少数ではあるが、雪の原始林をものともせずゲリラ的に迎撃した。
 ●戦場は原始林であり、ソ連軍にとっては侵攻ルートとなる一本一本の道路上でしか戦えない。
 兵力の差が大きすぎて、作戦級によくある戦闘結果表と地形修正ではソ連が押し切ってしまいます。
独ソ戦のゲームでよく見る、ソ連軍は複数師団を集めた軍団1個で一つのユニットとドイツ軍は師団1個で一つのユニット、というまとめ方をそのまま取り入れても無理がありました。かといって戦闘結果表をソ連プレイヤー用とフィンランドプレイヤー用に分けて、というのも恣意的というか結果ありきへの誘導があからさまで避けたいでした。

 そこで見つけたのがMMPのOCSシリーズの戦闘ルールです。
http://www.sunsetgames.co.jp/the_gamers/ocs/ocs.htm
 小さい規模のユニットは中隊大隊から大きい規模では軍団や軍までで、これなら小兵力のフィンランド軍も大軍のソ連軍も再現できます。 
このゲームには戦闘力の他にアクションレーティングという兵力の優劣を表すような数値があり、この数値によって判定次第ですが戦闘結果が大きく変化する可能性があります。
大軍でも敵の少数の精鋭に対しては苦労をする場面を作り出せるということで、奇襲判定と戦闘結果表の要素をOCSから借用しました。
その他ユニットの移動や戦闘についてはドイツ戦車軍団のルールを借用して、ゲームのスケールは1ターン=1週間の全15ターン、1ヘクスはおおよそ10km、ユニットの規模は両軍とも歩兵は1ユニット=1個師団の3ステップとしてその他で戦車や守備隊と砲兵を作りました。

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 侵攻ルートが狭い道路しかなく、大挙して押し寄せた軍隊もトラックや戦車は渋滞するばかり。
そこで、ユニットは2個までスタックが可能ですがソ連軍ユニットは1つのヘクスから一つのユニットのみ攻撃が出来ます。
また、ソ連軍の戦車の移動は道路のみ。フィンランド軍は移動力に優位があり、スタックの攻撃力で攻撃することが可能です

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 ゲームの規模に関して当初は、フィンランド全域を取り入れて、ソ連プレイヤーが望めばフィンランド湾を渡って上陸作戦を行えるように海も入れて…と盛りだくさんでしたがユニットを12ミリ角の小さいものにしても、マップが畳2枚分くらいのスーパービッグゲームになりそうでさすがに無理でしたので全域収録は断念。ゲームの戦場は冬戦争で一番の激戦地となったカレリア地峡というフィンランドの一部に限定することに。
上陸作戦はやってみたかったけど、戦場をカレリア地峡に限定したのに上陸作戦はおかしいと思いカット。
このときまでにはゲームのアイデアをたくさん出してメモしていましたが、ルールが具体的になるにつれてどれもゲームを複雑にするものばかりに思え、どんどん削りました。
個々の史実エピソードは面白いと思っても、ゲームに再現したとき面白いとは限りません。
空軍力は地上ユニットの戦闘力に含めることとして、空戦とか航空基地のアイデアはカット。
寸土も敵に渡さないために1メートルでもとどまって粘れというフィンランド総司令部と、防衛ラインまで皆で下がってそこで防戦をしたい現地司令との間で不仲が生じていたというエピソードがあり、ちょっとめんどくさいルールを考えていたけどこれもカット。あんまりプレイヤーの自由をルールで拘束するのはちょっとね。

 パソコンでマップとユニットを作り、印刷などをして仮の完成です。
自分でソロプレイをして、まあこんなもんだろうと考えて満足していました。

 そうしてゲーム会へ持ち込み、テストプレイをお願いしたら戦闘の推移が思ってたのと違う…
フィンランド軍は一気に防衛ラインを下げて要所にだけ防衛部隊を置き、侵攻ソ連軍は無人の荒野を少しずつ進みます。
戦闘という戦闘が散発的にしか起きない。フィンランド軍はユニット数も戦力も少ないので当たり前ですよね。
アクションレーティングはフィンランド軍有利といえど、ほかのプレイヤーが作り手が思った通りに動かすとは限りません。
当たり前のことなんですが、このときはそのことを見落としていましたね。
その結果をうけて私は、プレイヤーの自由を拘束するルールを復活させるという悪手をしてしまいこれでは駄目という評価となりました。

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 そんなわけで今はとん挫してしまっていますが、問題点に対する新しいアイデアとかルールのアドバイスをもらっているので、これから再度組んでみてどうにかしようというところです。
やってみないとわからない事は、こうしてやってみるしかありません。
ちょうどコマンドマガジンのホームページを見ていたら、冬戦争のゲームが2019年12月号の付録になるみたいで期待大です。
戦術級っぽい作りみたいですが、どんなゲームか楽しみですね。

それではみなさん素敵なクリスマスと年末年始をお過ごしください。

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