War-Gamers Advent Calendar 2017 12月9日

「起きたかもしれなかった第三次世界大戦をイメージして楽しむ」
(Lock'n Load Publishing : World at War Series)

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(写真 シリーズ第一作と第二作の再販売パッケージ「Eisenbach Gap Deluxe」)

 1982年6月17日、クレムリン。党政治局会議。
 「乏しいなりにこの秋の収穫を食べればよい。国家備蓄も放出すればよい。家畜や家禽の肉も利用すればよい。そしてすべてを食べ尽くしたら、西ヨーロッパへ目を転じるのだ。あそこでは牛乳が川をなし、肉とバターが山をなしている豊かな十か国の国家備蓄が手つかずに、ある。~略~ 奪い取るのだ」
 「ケレンスキー(元帥:ソ連国防相兼赤軍最高司令官)が二時間にわたって読み上げ、説明したその計画は、じつに、衝撃的なものであった。翌年五月、東ドイツ領内で予定されている赤軍恒例の春季大演習は近年にない破格の規模でおこなわれ、しかもその性格は往来のそれとはまったく異なったものになる。それは単なる演習ではなく、実戦なのだ。命令一下、戦車三万台、装甲兵員輸送車、自走砲、水陸両用車輛等からなる大軍団が西進を開始、エルベを渡河して西ドイツに侵入し、フランスとその英仏海峡沿岸をめざす」
「ドイツ内での戦術核兵器の使用は避けられない。その結果、東西両ドイツとポーランドは壊滅する」
「前衛の機械化軍団の先鋒は、エルベ渡河から百時間後に、フランスの海峡港湾都市に到達する予定だ。停戦は、その時点で初めて認めてもよろしい。掃討は停戦後にやれるからね」
 フレデリック・フォーサイス著 篠原 慎訳”悪魔の選択(上)”角川文庫より

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(写真 統一されたデザインのパッケージアートが、なかなかシンプルでカッコいいです)


 このフォーサイス作品では1983年に、ソ連国内で予想される穀物収穫量が凶作のため絶望的となり放置すれば未曾有の大飢饉が避けられない状況に陥ります。そこで豊作が確実なアメリカから、軍事面その他で譲歩する代わりに穀物を売ってもらうか、さもなくば食糧難に直面した人民大衆が忍耐の限界を超え、ソビエト連邦全土で暴動の火の手が上がるのは確実。
「アメリカへの譲歩などとんでもない」「西側ヨーロッパを軍事侵攻して問題を解決すればよい」
「アメリカが戦略核兵器で報復しないという保証は無い。ここは西側と交渉して平和裏に問題の解決を」
ソビエト共産党政治局の会議はこの問題で白熱し、西側との交渉か軍事解決かという選択を迫られます。

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